ラブリーチェーンしみ抜きブログをご覧いただきありがとうございます。ラーメンもしみ抜きもけっこう前の事案が溜まっていて必死に記憶の扉を開いている讃岐です。
さて、今日のご紹介はワイシャツのお腹部分に付いたベルト跡。
安い皮ベルトは合成皮革が使われていることが多く、製造後3年以上経つと加水分解を起こす可能性があります。
加水分解とは、名の通り水が加わって分解すること。
合成皮革の主成分・ポリウレタン樹脂は元々低分子化合物の端っこ同士を脱水縮合という反応で繋いで作る高分子化合物です。加水分解はその逆反応とも言えるもので、高分子化合物の長い鎖が劣化で切れて、切れた部分の片側に水由来のH(水素)、反対側にはOH(水酸基)がくっつくことで低分子化します。
すると、商品的にはベタつきが出てきたり、表面がボロボロになって剥がれたりという状況になります。
ベルトはズボンのウエスト部分はもちろんのこと、お腹の下でズボンを履くとお腹にもこすれます。今回のケースは、加水分解で生じた分解生成物(ベタベタ)がお腹に擦れて転写されたものと思われます。
となると、樹脂を溶かせる油性の薬剤の出番です。
薬品を塗り塗りしてしばらくすると、ベタベタが柔らかくなって来ます。そこを狙って油性のガンで叩いてやるとこの通り。
これでまた気持ちよく着られますね。
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