ご家庭でのお洗濯で、他の衣類の色が移ってしまったことはありませんか? 最近、多いんですョ! 理由をいくつかご紹介します ●ソーピング(服の製造工程中、染色や加工処理の後、余分な染料や樹脂などを洗い流す工程)不足。 この工程が十分に行われていないと家庭洗濯の時に余分な染料が流れ出てしまいます。日本のアパレル業者さんが日本向けに流通させる服では染色堅ろう度試験(染色がどれだけ強いかを調べる試験)を行っているため、そう簡単に色流れは起こさないと思いますが、どこの馬の骨かもわからないような安い衣類はこの工程を省いていることも(ーー;)●海外生産(特にEU方面)のもので、日本の規格に合致していないもの(直輸入など)の商品が増えている。 これは、水の違いが大きいです。EU諸国の水は、硬度(カルシウムやマグネシウム成分の濃度)が高い水で、石鹸の泡立ちが悪かったり、洗濯時の汚れ落ちが悪い水です。生産国の水で染色の強さを試験してパスしたものでも、日本の軟水+洗剤で処理するとまだ色が出ることもあるのです。●家庭用洗濯機&洗剤の機能性強化の弊害洗濯機はより節水に。洗剤はよりコンパクト高濃度に。昨今のこの動きにより、使用方法をあまり読まずに使う方は、とっても濃ゆい洗剤液で洗濯をしてしまっている可能性があります。濃すぎる洗剤が染料に悪さする可能性があるのは当然ですね。
そして弊社で移染除去処理をした品物がコチラ。今回はキレイに除去できましたが、いつでもどんな素材でもキレイに落ちるとは限りません。 衣類の購入前に洗濯表示の確認(ちゃんと日本の連絡先が記載されているか)、洗濯機や洗剤の使用方法の確認など、お客様にも出来ることはあります。 全てきちんとやっているのに色が出てしまった場合は、そのアパレル業者に連絡してみるのも良いでしょう。ただ、色が移ってしまった自社の製品でないものの弁償まではしてくれるかどうかわかりません。 中途半端に自分で何かしようとすると、染料の定着を促してしまう可能性もありますので、あまり弄らず早めにクリーニング店に相談してくださいね。