ラブリーチェーンしみ抜きブログへようこそ!シミ抜きの奴隷、讃岐です_| ̄|○ il||li
さて、最近1週間のうちで3件も【バッグからの移染】がありました。バッグ強化月間なのだろうか…?
あちこちに赤いポチポチ。オシャレな赤いバッグなんですね。
本革は水に濡れた時こそ色が滲みやすいですが、こんな色の付き方をするのは恐らく合成皮革。合成皮革は製造から3年以上経過すると【加水分解】というポリウレタンの分解が始まることがあります。【加水】の水は空気中の水分由来です。だから、ジメジメした環境や、冬のストーブや石油やガスのファンヒーターは要注意。石油やガスを燃やすことで水蒸気が発生して部屋の中に滞留するため、これらの暖房器具を消した後の夜中はかなり空気中の湿度が上がりますからね。その湿気が大敵なのです。合皮はれっきとした【石油製品】→分解生成物は油系なので、分解が進んでいれば油性処理、分解が初期で高分子化合物の性質が強く残っていれば【樹脂】としてのしみ抜きが必要になります。
今回は殆どの部分は油性シミとしての処理で、一部分だけ樹脂系シミの処理で落とせました。
合成皮革(フェイクレザー)って革製品に似たように見えるため、ナンチャッテの安い服はもちろん、高級ブランドでも使われることがあります。しかし、高級ブランドであろうと合皮は3年後以降は劣化するものと考えて頂いた方がいいです。高級ブランドの神通力でも(耐久性という意味で)粗悪な素材を長持ちさせるチート能力は持っていません。
素材の話・しみ抜きの話は化学の話に帰結することが多く、「安価品メーカーが使う素材が安物の粗悪品だから」合否が劣化するのではなく、合皮(以外にもスキーウェアやポリエステルコートの防水コーティングやボンディング加工、マウンテンウェアの縫い目からの水や冷気を防ぐシームテープ、シームレスダウンの接着層とかも)の『湿気がある環境で長持ちすることはありえない』素材の限界なのです。砂漠や低湿度の地中海沿岸の国なら加水分解する物も空気中に水分がないので長持ちするでしょうが、梅雨があり冬は部屋の中に燃焼ガスを撒き散らすタイプの石油やガスのストーブ・ファンヒーターを使っている多くの日本の家庭では、素材はその水分ストレスに負けて分解してしまいます。その点、梅雨がなく冬の暖房は燃焼ガスが煙突から出ていくタイプのストーブを使う北海道はこういう【合皮トラブル】は少ないと予想されます。あくまで科学的視点から、合成皮革が加水分解される要素が少ないというだけですが。
ウンチクが長くなりましたが、ラブリーチェーンは埼玉県小川町に本店を置くチェーン店で、秩父市・寄居町・本庄市・深谷市・熊谷市・滑川町・東松山市・毛呂山町に店舗がございます。シミでお困りの際はラブリーチェーン各店までご相談ください。